2018.02.19
「ありがとう」が新しい学び “プロジェクト学習” を加速させる

本日お話をうかがったのは、設立から4年で全国の高校の約4割が導入する学習支援プラットフォームを提供する、Classi株式会社の皆さんです。100名規模にまで急成長中のEdTech企業Classiさんで、Uniposがどう活用されているのかを伺いました。
提案するのは、プロジェクト学習という新しい学び
Classiさんの事業内容を、教えていただけますか。
代表取締役副社長 加藤様(以下、加藤):
Classiは、学校教育の現場においてICTの活用を推し進めるために、全国の学校に最新のテクノロジーを活用したプラットフォームを提供しています。現在は、宿題のパーソナライズ機能、Slackのようなコミュニケーションツール、そしてユニークなサードパーティアプリを配信するプラットフォームの3つの機能があります。
パーソナライズされた宿題、私が学生の時に欲しかったです…!ところで、Classiさんが提供されている “学校版Slack”は、学校のどのようなシーンで活用されているのですか。
加藤:
複数のメンバーとチームを組んで課題に向き合う「プロジェクト学習」にご利用いただいています。先生の指導のもと、ゴールの設定やタスクの割り振り、ブレインストーミングといったやり取りを、ツール上で行なうのです。そうして蓄積されたコミュニケーションログを通して、定期的に振り返りも行います。
プロジェクト学習というのは、学校教育の現場では馴染みのなかった概念ですよね。
加藤:
そうです。Classiには、「子どもの無限の可能性を解き放ち、学びの形を進化させたい」という想いがあります。そのため、先生が黒板に書いた文字を写して復習して…といった個人プレーの学びに加えて、毎日自分以外の誰かとやり取りが起こるような新しい学びを提案しています。
多くの人が社会人になってから初めて経験することを、Classiさんの提供するツールを使えば、経験することができるのですね。これまでの学習にはなかったプロジェクト学習の特徴を教えてください。
加藤:
他の人の目を意識する機会が増えることです。チームで課題に向き合うと、意図せず失敗したり、思わず成功したり、誰かを傷つけてしまったり、ありがとうと言いあったりといったインタラクションが発生します。そこには必ず「他者」がいて、円滑にプロジェクトを進めるためのコミュニケーションが求められます。
「他の人の目」を意識することは、職場においても重要ですよね。
プロダクト部副部長 八谷様(以下、八谷):
Classiのメンバーは、他の人を意識した情報共有をとても大切にしています。Classiは、ベネッセホールディングスとソフトバンクのジョイントベンチャーなので、使う言葉や持っている価値観の異なるメンバーが共存する中で、お互いに通じる言葉で情報共有することが、プロジェクトを進める上で必要不可欠だからかもしれません。
そのため、議事録やWikiをつくること自体を目的化せず、誰もがツッコミを入れられるような形で情報共有をすることで、属人化した暗黙知を、オープンかつ建設的に議論を重ねながら形式知化しています。
写真右の八谷さん、誰が見ても要点がすぐに分かるよう、全社の議事録のフォーマットをシンプルに整えたそう。
プロジェクト成功の鍵は「ありがとう」のスパイラル
プロジェクト学習を成功させるために、大切なことは何でしょうか。
加藤:
「ありがとう」の気持ちを相互に伝え合うことだと考えています。人と人の繋がりの中で、「助けてくれてありがとう、だから次は自分も助けたい」という気持ちを生み出すことを意識してサービスを提供しています。
コミュニケーションツール上で行われる第三者同士のやり取りをみて、自分と周りの人との繋がりのあり方に意識を向けて欲しいのです。
それはClassiさん自身の組織づくりでも大切にされていることでしょうか。
加藤:
はい。感謝の気持ちを伝え合い、プロジェクトの推進に良いスパイラルを生み出したいと思っています。これは「Unipos」導入の理由の一つです。職場でも、Slack上では仕事の業務上の話ばかりしてしまいがちです。もう一歩踏み出して、「ありがとう」と伝えることは、学校に限らず職場においても、仕事を円滑に進める上でとても大切だと思っています。
「Unipos」導入前も、メンバー同士感謝しあう文化はありましたか?
CTO兼プロダクト部部長 佐々木様(以下、佐々木):
サービス開発を担当するプロダクト部は、「Unipos」導入以前にも、感謝の気持ちを送り合う「よかったポイント」という制度を運用していました。アンケートをスプレッドシートで集計して週に一度表彰し、よかったポイントを10回貯めたらAmazonギフト券を渡す、というアナログな方法で運用していましたが、メンバーが40名にもなると、当然ですが運用が回らなくなります。
それでも、部内の一人一人の貢献に感謝する習慣は大切にしたいし、欲を言えば他の部署のメンバーにもプロダクト部の感謝のコミュニケーションを知って欲しいという気持ちが強くあって…。その思いを「Unipos」が叶えてくれました。
「Unipos」コミュニケーションは、部署の壁を超えて組織の学習を加速させる
「Unipos」を導入することで、部署を超えた感謝のやり取りがさらに生まれたのですね。
企画部 三浦様(以下、三浦):
そのとおりです。私が所属する企画部は、お客様とのやり取りが多いため、プロダクト部のエンジニアにサービスの不具合などを伝えることがあるのですが、この間、夜中に不具合に気がついて連絡したところ、エンジニアから「Unipos」ですぐに感謝の言葉とピアボーナスが送られてきました。
八谷:
また、難しいことを突破したエンジニアに、同じ部署のメンバーから大量の投稿が集まっていた時には、他部署の人もその出来事に関心を持って検索などして、「これは世界トップレベルのことなんだ!」と気づき、さらに「拍手(いいねのような機能)」をしてくれました。
▲その時の実際の「Unipos」タイムラインの様子。プロダクト部ではない方も、オリジナルのハッシュタグを駆使しながら、賞賛に便乗している。
「Unipos」でのやり取りをきっかけに、他部署の貢献や頑張りに関心を持つメンバーが現れ始めたのですね。
加藤:
はい。メンバーが100名ともなると、全員の仕事ぶりが見えなくなってきてしまったので、私自身いつも「Unipos」のタイムラインを追っています。「Unipos」を眺めていれば、社員の動きも、その人の人となりも、自然と知ることができて、チームワークが促進されます。
100名を超えたClassiさんのオフィスの様子。中央奥で立って社員の方と話しているのが加藤さん。
経営推進部 三戸様:
加藤さんはよく従業員の投稿に「拍手」をして、そのせいでよくポイントを使い切ってしまってます。(注:「拍手」をすると投稿した人とされた人に1ポイントずつ送られる。一人が一週間に送れるポイントは400ポイントまで。)
よく「ポイントがなくてすみません」という投稿を見て思うのですが、ポイントがなくても「ありがとう」を投稿できるのが「Unipos」の良いところです。
ピアボーナスはあくまで感謝を伝えるためのきっかけに過ぎないということですよね。
加藤:
先月もらった分のピアボーナスが、各自のメールに自動送信されてくると、社内がわっと盛り上がります。でも、「Unipos」を利用する上でピアボーナスをもらうことが目的化することはありません。給与のほんの一部という、絶妙な金額設定がそうさせているように思います。
今後、「Unipos」を活用してチームをどのように強くしていきたいですか?
加藤:
異なるバックグラウンドを持つ者同士が、「ありがとう」といった共通のやり取りを重ねることで、互いの良いところを最大限に取り入れて、ジョイントベンチャーならではの多様性を強みに成長していきたいです。
素敵なお話、ありがとうございました。
(写真左から)
代表取締役副社長 加藤理啓さん
CTO兼プロダクト部部長 佐々木達也さん
企画部 三浦愛さん
プロダクト部副部長 八谷英治さん
経営推進部人事採用担当 三戸圭子さん