2018.03.01
社員の主体性を引き出すためにメルカリが行っていること

※インタビュイー、並びに本記事中の人物・状況についての情報は、取材当時のものです。
こんにちは!Unipos広報の柳川です。本日お話をうかがったのは、株式会社メルカリ HRグループ 高橋寛行さん。月に多いときで50名ものメンバーがジョインするメルカリさんが、こだわりをもって運用しているコミュニケーション施策と、その背景にある思いをうかがいました。
急成長する組織がぶつかる4つの“壁”を越える会話のきっかけづくり
メルカリさんではメンバー同士のコミュニケーションがとても活発な印象を受けます。どのような施策を行っているのか、教えていただけますか。
高橋さん(以下、高橋)
「シャッフルランチ」や「TGIM」(MはMondayとMercariの文字に由来)など、普段仕事で関わりのないメンバー同士がコミュニケーションをとれるようなきっかけは、たくさん用意しています。通勤で利用する路線が同じメンバーを集めたり、誕生月が同じメンバーを集めたりと、なるべく色々なメンバーと話せるよう、総務メンバーが趣向を凝らしてくれていますね。
またグローバルメンバーが増える中で、彼らのフォローアップなどをするチームがダイバーシティの理解のために始めたのが「Global Donuts」という施策です。ドーナツを食べながら日本のメンバーと海外のメンバーが交流し、互いへの理解を深めています。
メンバーの半数以上を占めるカスタマーサポートチームは仙台と福岡という離れた拠点にいらっしゃるとのことですが、物理的距離を超えたコミュニケーションのきっかけはどのように作っていらっしゃるのですか。
高橋
まず、僕自身も直近は3か月に一度くらいは、新しい人事制度の導入説明などのために、実際に足を運んでいます。カルチャーとして拠点が離れても、コミュニケーションは大切にしたいという思いが強いので、極端な話「コミュニケーション目的がメイン」でも拠点出張に行くこともめずらしくありません。
しかし、同じ拠点のメンバーほど日常的に会えるわけではないので、普段のコミュニケーションの中で賞賛をオープンに伝えるための仕掛けとしてピアボーナス制度「メルチップ」も活用しています。ピアボーナスツール「Unipos」のweb・アプリを使って、感謝の言葉にちょっとしたボーナスを乗せ、お互いに送りあっているんです。
Unipos上では、一日300件ほどの「ありがとう」が送り合われていて、拠点を超えたやり取りも活発です。メルチップでのやり取りから、また新しいコミュニケーションが生まれることもよくあります。
CSメンバーへ人事制度を説明するために仙台に訪問した後、高橋さん宛に「CS向けの人事制度の説明会すごくわかりやすかったです!」という感謝の投稿とピアボーナスが送られた。
高橋
元々、3ヶ月に一度、メルカリのバリューの一つである「All for One(すべては成功のために)」を体現した人にお世話になった感謝の気持ちを込めてメッセージを書いて直接手渡しする「All for Oneカード」という制度があったのですが、感謝の言葉はもっとオープンかつリアルタイムに、拠点を超えて届けたいという思いから、Uniposに一元化しました。
役員の皆さんも参加されているのですか。
高橋
もちろん、海外にいることも多く、なかなか直接会うことができない山田(代表取締役会長兼CEO)や小泉(代表取締役社長兼COO)にも、感謝の言葉が送られていますよ。役員なのでメルチップが報酬に反映されることはありませんが、小泉は「メルチップをもらうと嬉しい」と話していました。
Uniposはオープンでカジュアルな感謝のやり取りをする場所ですが、経営陣とメンバー間、マネージャーとメンバー間で密なコミュニケーションを生み出すために行っている施策はありますか。
高橋
はい。経営陣は、「この時間はここにいるから自由に話しかけていいよ」という「オープンドア」の場を不定期で設けています。オープンドアの時間になると、メンバーがたくさんやってきて普段聞けない質問をぶつけていくんですよ。
オープンドアの取り組みは、経営陣に限らず、マネージャーも実施しています。
数ある施策の背景にあるのは「顔と名前が一致しなくなる問題」への挑戦
ところで、今メルカリさんは毎月何名くらい新しいメンバーを迎えていらっしゃるんですか。
高橋
東京オフィスだけでも20~30名ですね。各拠点も含めると多いときで、50名超のメンバーがジョインする月もあります。
それだけの勢いでチームが急拡大すると、さきほどうかがった施策を続けるだけでも相当大変かと思いますが、どのような目的意識をもって実施されているのでしょう。
高橋
これは経営陣ともよく話すのですが、「顔と名前が一致しなくなる問題」というのがよく言われるじゃないですか。人が増えるともう誰が誰だか分からなくなるという。
でも、メルカリはその状況を「会社が大きくなったから仕方がない」と諦めたくはないんです。会社が大きくなっても、遠くにいるメンバーのことを知り、興味を持ち、会社で起きていることに我が事感を持ち続ける組織であってほしいと思っています。
メルカリは、顔と名前が一致しなくなる状況を「仕方がない」と諦めたくはない
シャッフルランチやピアボーナスといったコミュニケーション施策は、我が事感を持つカルチャーづくりに、どのような形で貢献していますか。
高橋
例えば、家に帰ってテレビをつけて、メルカリのニュースが話題になっているとします。それを観たメルカリのメンバーは、「これは広報・PRの守備範囲だから、自分には関係ない」とは思いません。
シャッフルランチでPRのメンバーが「最近忙しくてテレビ追いきれないんですよね・・・」と悩みを打ち明けていたのを思い出して、みんながテレビでメルカリについて放送されていたことを、SlackのPRのチャンネルに投稿していく。それを見たPRのメンバーが、Uniposを使って感謝の言葉とメルチップを送るんです。
コミュニケーション施策が相互に良い影響を与え合って、我が事感のカルチャーがより一層強くなっていることを感じます。
ところで、「メルチップ」というオリジナルのネーミングをつけたのはなぜですか。
高橋
これも、我が事感をみんなに持ってもらうための工夫の一つです。
親しみのない施策名を発表して、「また「会社が」何かを始めたんだ」と社員が白けてしまうようなことは避けたい。そのため、メルカリが新しいことを始めるときは、「mercan(メルカン)」や「merci box(メルシーボックス)」など、必ずネーミングに時間をかけて検討し、「自分たちの制度」となるように意識しています。
「メルチップ」がGo Bold, All for One, Be Professionalな行動を可視化する
「メルチップ」によって何が実現されましたか。
高橋
3つのバリュー(Go Bold, All for One, Be Professional)を体現するような考え方や働き方が、より可視化されましたね。Uniposがあることで、マネージャーが今まで見えなかったメンバーの仕事ぶりにまで、目が届きます。
UniposはSlackとシームレスに連携しているので、隣の席のマネージャーが、メンバーの仕事に対してどのようなフィードバックを送っているのか、という情報も、文脈を含めて新たに見えるようになりました。
そのため、副次的な効果として、マネージャーにとってフィードバックの質向上にも活用できているように思います。実際に弊社のマネージャーは、ポイントを使いきる勢いでUniposを活用してくれています。
マネージャーのみなさんを中心にメルチップが盛り上がっているんですね。ピアボーナス導入・運用のポイントはありますか。
高橋
マネージャー陣と丁寧にコミュニケーションをとって、導入目的をきちんと伝えることはとても重要です。マネージャーがインフルエンサーとなって称賛文化が勢いよく広がっています。
クオーターごとにMVPなど表彰をしているのですが、最近その一つとしてメルチップ賞を設けて「一番送った人」「一番もらった人」を別途表彰することもしています。
称賛文化を広めるという目的に対し、Uniposが貢献している機能はありますか。
高橋
ピアボーナスなし(0ポイント)でも感謝の投稿ができるところですね。感謝したいと思ったそのときに、ポイントがないことを理由に諦めなくて済むので。
Uniposでメンバーが獲得したメルチップは、どのように支給していますか。
高橋
給与の支払いのタイミングでUniposの管理画面から獲得ポイント一覧を出力し、給与と併せて「メルチップ給」として支給しています。
弊社は1ポイント=1円で運用しているのですが、もっと浸透したら、今度は感謝ウィークのような特別な期間を設けてポイントあたりの金額も増やしてさらに活性化させるというのをGo Boldにやってみるのもいいなと思っています。
最後に一言お願いします。
高橋
部署の壁を越えるランチやディナー、国籍の壁を越える社内イベント、役職の壁を越えるオープンドア、そして物理的距離の壁を越えるメルチップ。隙間時間やツールを有効活用しながら、総務のクリエイティビティをプラスして、たくさんのコミュニケーションのきっかけを生み出していきたいと思っています。
それらを通して、メンバーが会社で起きていることに興味を持ち続け、互いに感謝しあうことのできるカルチャーをつくっていきたいです。
/unipos +39 @高橋さん 素敵なお話ありがとうございました!
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