2019.11.15

“相互理解とリスペクト”をベースとしたコミュニケーションを促進

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日本最大のコスメ・美容の総合サイト @cosme (アットコスメ)を運営する株式会社アイスタイル。日本のビューティービジネスを牽引してきた同社ですが、ビジネスの多角化とさらなる会社の成長に向けて、Workplace by Facebook、そしてUniposを導入。今回は、それぞれの導入に至った経緯から、実際の活用方法や効果まで、同社 コーポレートコミュニケーション室 室長の山本 彰治さん、ヒューマンリソース本部 組織・人材開発部 部長の久佐野 悠さんにお話を伺いました。

バリューを軸とした経営の実現に向けて、再設計したコミュニケーション

現在、Workplace そして Unipos を導入いただいていますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

(久佐野さん)まず社内の採用計画に基づいて、2年半ほど前から急激に新しいメンバーが増えてきました。それまで社内で暗黙知的に共有していた「組織として大事にしたいこと」が伝わりにくくなり、きちんと形式知化し、仕組みの中に組み込んでいくことが必要だということで、経営陣とバリューをつくることにしたんです。

バリューをつくる際には、日常的に言葉に出るフレーズということを意識し、文言化しました。その甲斐があってか、社員はとても自然に使ってくれていて、フレーズの浸透そのものにはそこまで苦労はしませんでした。ただ、このバリューが、会社やビジネスの成長にどう繋がっているかの体系だった仕組みがなかったため、バリューとスピリッツを軸とした人事の仕組みをこの2年ほどかけて少しずつ作っていくことになった、というのがきっかけとしてあります。

理想の組織に向けて、新しい人事の仕組みを構築されてきたのですね。その過程で、Workplaceを検討いただくことになりますが、具体的な導入理由はどんなものですか?

(山本さん)私は昨年3月に入社して、代表の吉松から “社内外のコミュニケーションの改善事項をあげる” というミッションを受け実態を調査したところ、社内コミュニケーションのしづらさが問題点の一つとして浮かび上がりました。当時はメールとグループウェアがメインの社内コミュニケーションツールだったのですが、情報共有という観点においては、ビジュアル、双方向性、即時性に弱いという欠点がありました。中期経営計画に基づいて事業、組織の急拡大を図っている当社にとって、今後の成長に向けて、社内コミュニケーションの円滑化は非常に重要な要素となります。そこで、新しいツールを検討することにしました。

 

一方の、Uniposの導入理由はいかがですか?

(久佐野さん)Uniposに関しては、コミュニケーションツールという一面はありつつ、もともと社内で実施していたアワードのプログラムを見直して行く過程で、いままで社内システムを利用したものをUniposにリプレイスする形で、導入を進めました。少し起点が違いますね。

Workplaceで、多様でグローバルなメンバーを繋ぐ

では、コミュニケーションツールを検討する過程で、数あるツールの中からWorkplaceに決めた一番の理由は何でしたか?

(山本さん)一番の理由は多様性に対応できるところです。弊社グループは、香港、台湾、タイ、マレーシア、米国等、海外に多くの拠点があります。また、メディア、小売店舗、EC、卸、人材派遣、PR業などをはじめ、幅広く事業を手がけているため、集まっているスタッフのバックグラウンドはすごく多彩でインターネットのリテラシーにも幅があります。こういった多様なスタッフみんながわかりやすく使えるものである必要がありました。

コミュニケーションツールは、みんなが使ってこそなので、細かい機能性よりも、とにかくできるだけ多くのスタッフが使いやすいこと。そこで、世界で多くの利用者がいるFacebookとほぼ同じインターフェースであるWorkplaceに行き着きました。

実際導入後、国内外通じて機能や使い方についてはほとんど説明が不要でした。また海外部門の英語・中国語・マレー語・タイ語などが母国語の社員には、投稿の翻訳機能が重宝しているようです。やっぱり日本人社員が一番多く、日本語投稿がメインになってしまうので。

またSNSの要素とチャットツールがセットになっているところも決め手の一つでした。

 

実際には、どのようにWorkplaceを利用されていますか?

(山本さん)グループに関しては大きく、業務連絡のお知らせ用と、組織用、情報共有用に分けられると思います。

組織グループでは各部署がサービスのトピックスや関連ニュースを共有してくれたり、20程ある部活動が随時その活動報告をしてくれています。

海外でも例えば、@cosme storeが出店している香港や台湾などの組織グループでは、動画や写真とともに「今度、新店舗がオープンします」「週末にお店でこんなイベントを開催しました!」といった情報を共有してくれています。

情報共有用ですと、業界ニュースで役に立ちそうな情報がシェアされています。例えば最近◯◯テックという言葉がいろいろありますが、ビューティーテックというものもあって、自社で BeautyTech.jp というメディアを運営しています。そこで掲載した記事をはじめ、世界のビューティーテックのニュースを「BeautyTech」というグループで、編集部や情報感度の高い社員に加え、CFOが自ら率先して投稿してくれていますね。

その他、SNSや人気コスメのトレンドだったり、ビューティー系のイベント情報をシェアするグループなどもあります。

それから、タイでは先日、合弁会社設立の調印式の様子をライブ配信しました。

ライブ配信の機能も活用いただいているんですね。使い勝手はいかがですか?

(山本さん)情報の伝達力が高いので、最近、我々の部署で旬なのですが、各部署でも使ってくれています。先日も、社内向けの決算説明会をIRのチームが開催し、ライブ配信しました。他に、社員の外部イベントの登壇の様子なども、主催者に確認の上で極力中継するようにしています。拠点がたくさんあるので、その時間に参加できない人もあとからアーカイブを見てもらうことができるところもいいですね。

 

かなり活発にグループでも投稿されているようですが、もともと御社には発言力のある方がいっぱいいらっしゃるのでしょうか?

(久佐野さん)発言力というか、発信者ですよね?

 

(山本さん)そうですね、先程のCFOを筆頭に、情報感度が高くてみんなの役に立てればと思って発信してくれるメンバーが国内外に多くいます。

また組織として、ユーザーサポートの部署が問い合わせ内容をまとめて共有してくれたり、@cosmeのデータリサーチチームがビューティ関連の調査データやトレンドを紹介してくれたり、コンプライアンスに関わる部門ではQ&Aやアニメでわかりやすく法律を解説してくれたり。

バリューである「共創の精神」の表れかもしれませんが、それぞれが「みんなが知りたいだろう、知っておくべきだろう」という情報を自発的に発信してくれていますね。

 

Uniposを使ってバリューを深く浸透させ、文化を築く

Workplaceで多様なスタッフ間のコミュニケーションが活性化していく一方で、Unipos導入の起点になったアワードは、どのような制度なのでしょうか?

(久佐野さん)弊社では以前より、「7i AWARD」と、「Like!AWARD」の2つのアワードを実施していたのですが、今年、より深いバリューの浸透のために、人事制度と合わせて見直しを行いました。

7i AWARDは、会社で掲げている7つのiから始まるスピリッツに由来していて、このスピリッツとバリューを体現して、最も会社の成長に貢献したチームやプロジェクトを称えるものです。

 

istyle社のスピリッツ

 

(久佐野さん)Like!AWARDは、「人」にフォーカスしていて、ある人の行動が「会社にとって素晴らしい」「称賛したい」ものであった場合に社員それぞれが投稿し合い、多くの称賛票を集めた人を称えるアワードです。

このLike!AWARDについて、以前は社内で開発したシステムを使っていて、メッセージを送った人ももらった人も当事者同士はわかるのですが、全員の目に触れるようなシステムにはしておらず、最終的にHR本部がデータ集計して、受賞者を発表していました。

そこで、誰かが「いいね」と思った行動を社内でシェアしていくというオープン性は、アワードのプロセスの中で実現したいという想いがあり、Uniposへリプレイスすることにしました。

 

実際にオープンにされてみて、いかがですか?

(久佐野さん)「この組織間でこんな繋がりがあって、こんなプロジェクトが動いていて、その時の誰々の行動がよかったんだ」といった具合に、社内の関係性としてみえるようになったのがよかったです。

バリューやスピリッツに合わせた投稿を促しているので、HR本部としても「こういった行動を理念の体現と捉えてくれているんだ」という発見もあります。

 

社内でのバリューの捉え方も見えるということですね。

(久佐野さん)はい、社員の認識を知ることができますし、文化を築いていくための一つの手段にもなり得るなと感じています。

 

投稿に紐づけることのできる、バリューを登録したハッシュタグもかなり利用していただいていますね。Uniposご利用企業様の中でもトップレベルです。

(久佐野さん)トップレベルなんですね!アワードの受賞の基準として、バリューやスピリッツのハッシュタグがついているものの中から選ぶ、としていることがあるのかもしれません。ですが、その基準を発表するより以前から利用率は高かったので、そこからも社員が日常的に使ってくれているのがわかりました。

多くの票を獲得し、Like!AWARDを受賞したお二人(前列)と代表取締役社長兼CEOの吉松氏。

 

実際の投稿。なお、「#overtheborder」のハッシュタグはバリューの一つ。

“相互理解とリスペクト”をベースとしたコミュニケーションを促進、会社のさらなる成長へ

Uniposやその他の人事施策の効果をどのように検証していきますか?

(久佐野さん)今年から、半年に一度エンゲージメントサーベイを実施しているので、そこでも、私たちが実施してきた施策がどのような結果に繋がっているかは、数値を確認しながら検証したいと思っています。

社員のみなさんが満足出来たり自己実現ができて、かつ、それらを最終的に会社のビジネスの成功につなげていけるかが重要ですね。

 

最後に、WorkplaceとUniposについて、導入して得られた効果、今後の期待などがあれば教えてください。

(山本さん)Workplaceに関しては、さまざまな情報をオープンにビジュアルで共有することで伝達力が増し、みんなの知見を高めたり、各部署の動きや関心事項を知ることができるようになった効果は大きいです。社内で常に多くのプロジェクトが動いているので、すぐに関係者同士のグループを立ち上げたり、チャットで連絡し合える柔軟性や機敏性みたいなところもよかったと思います。

「社内外のコミュニケーションのハブになる」というミッションを持っているコーポレートコミュニケーション室としても、掲載情報、社内イベント告知&共有、社内報発行のお知らせなど、社内に向けた情報のシェアなど非常にやりやすくなり、伝達力も上がりました。

導入から間もなく1年が経ち、今後ますます社員が増えていく計画なので、より社内コミュニケーションが促進されるような仕組みも考えていきたいと思っています。

 

(久佐野さん)そうですね。弊社は、バリューの中でも ”相互理解とリスペクト” はとても大切で重要なものなので、一番ベースのところにおいています。それを実行できないと “Over the Border” ができないし、最終的に “落とし所ではなく目指し所” を作っていくことはできません。よって、お互いを理解したり、称賛される行動を通して相手にリスペクトを持つことを、Uniposによってより根付かせていけたらと考えています。

記載されている役職・在籍やUniposの機能・UIについてはインタビュー当時のものです。

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