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2018.12.12

創業133年、ITリテラシーゼロだった会社がHRテックを使いこなせる理由

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ガレージ・倉庫・物置事業や太陽光発電パートナー事業をはじめ、農業を支援する新技術の開発・提供といった事業を手がける明治19年創業の株式会社カクイチ。最近、SlackやUnipos、Zoomなど最新のITツールを次々と導入し、働き方改革と生産性向上に向けた投資を積極的に行なっています。平均年齢45歳、2014年まで全員に業務用メールアドレスが支給されておらず、インターネット環境が整ったのも半年前という同社ですが、デジタルツールの浸透は素早く、Slack導入後はコミュニケーション量が以前の10倍にもなり、Uniposの利用率は80%とのこと。創業133年の老舗ベンチャーで、デジタルへの投資が成功し、全国の拠点を繋ぐコミュニケーションが活発化している理由に迫ります。

ITリテラシーはほぼ皆無。100近い拠点を繋ぐため、ゼロからのIT改革が始まった

 

ーーピアボーナスサービス「Unipos」導入のきっかけは何だったのでしょう。

 

執行役員 IT情報システム部長 鈴木様(以下、鈴木)弊社は全国に28の営業拠点、3工場、77店舗のショールームを展開しています。年に一度全社員が集まる会もありますが、他拠点の人と十分に交流することは難しいのが現実です。また分散型の組織なので、お店はお店、営業は外回り、事務職は事務所でPCを打つ……と、それぞれの仕事に集中して部署を越えた交流があまりできていませんでした。職場で認められる機会も少なく、社員の承認欲求を満たせる施策が必要だと考えていました。

承認欲求を満たすには、インセンティブだけでは限界があり、こまめな言葉の報酬も必要だろうというのが弊社社長の田中の考えでした。そのような時、田中が友人の経営者からおすすめされたのがUniposです。同じタイミングで、ビジネスコラボレーションハブのSlackも導入し、デジタルを駆使した生産性の向上にも取り組み始めました。

 

 

▲GoogleスプレッドシートとSlack、スタンディングミーティングを駆使して会議は短く。UniposでPDCAのサイクルに勢いをつけ、生産性を高めている。「Uniposは一連のサイクルの最後を締めくくる非常に重要な存在」と鈴木さん。

 

ーーそれまではデジタルツールは活用されていなかったのでしょうか。

 

鈴木:デジタルツールどころか、2014年までメールアドレスやPCがなかったような会社ですよ(笑)シニア層の社員が多く、平均年齢も45歳と高め。ITリテラシーは皆無だったといっても過言ではありません。

一連のデジタル化は、半年前にインターネット環境を整え、ガラケーを使っていたメンバーにiPhoneを使い始めてもらうところから始まりました。

 

ーーそうした状況の中、どのようにUniposの導入を進められたのでしょう。

 

鈴木:5つの営業所で1ヶ月ほどのテスト導入を行い、その後全社導入しました。現在は250名の正社員と100名のパートがUniposを活用しています。各部署2名ずつ、ITリテラシーの高い人やコミュニケーションが得意な人を「ITアンバサダー」に任命して、旗振り役をやってもらいました。女性が多いですね。2名にしたのは、1人で頑張るより、乗っかる人がいた方が盛り上がると思ったからです。

 

活発に使うのは意外にも50〜60代。Uniposのシンプルな機能と感謝される喜びは世代を選ばない

 

ーー年齢の高い社員の方もいらっしゃると思いますが、そういった方にもUniposは使っていただけているのでしょうか。

 

鈴木:使っていますよ!むしろ50代以上の世代の方が活発な印象です。たとえば宇都宮店の店長は60代ですが、若手の社員とUniposをよく送り合っています。Uniposの機能がシンプルで使いやすいからでしょうね。また、叱って育てるという文化が強く、褒められる機会が少なかった世代ですから、Uniposで承認されることが嬉しいのだと思います。

誰かが感謝を伝えると、好意の返報性が働いて、新たな感謝の言葉が生まれていきます。そこまで詳しく使い方や活用方法を説明することなく、あっという間に浸透しました。

▲ショールームの様子。中には店長とスタッフ2名で営業している店舗も。

 

IT情報システム部 小山様(以下、小山)年齢が高く社歴が長いメンバー同士がやりとりするUniposには、同窓会のような空気が流れています。とある65歳の社員は、昔一緒に働いていた色々な営業所のメンバーに、「久しぶり、頑張ってるね」という意味を込めて拍手(SNSの「いいね」のような機能 )をしているそうです。離れた営業所のメンバー同士が集まる機会は少ないので、こうしたコミュニケーションが生まれるのもUniposならではですね。

 

ーー最近もらって嬉しかったUniposの投稿はありますか?

 

小山:これですね。

この20年間、販促ツールを作ってきて、改めて感謝を伝えられるということはあまりありませんでしたので、涙が出そうになるくらい嬉しかったんです。埼玉や前橋など、異なる営業所の人からも45回拍手が送られてきて、見守られている感覚がして安心しました。

▲「涙が出そうになるほど嬉しかった」と語る小山さん

 

ーー柳瀬さんはいかがですか。

 

IT情報システム部 柳瀬様(以下、柳瀬):IT情報システム部は間接部門ということもあり、感謝の言葉をいただけることが少なかったのですが、Unipos導入後はたくさんの感謝が届くようになって、仕事にやりがいを感じています。

▲Uniposで生まれたコミュニケーションのネットワークを示した図。IT情報システム部が組織のハブになっていることが見て取れる。

 

毎日投稿される100のUniposが店舗を超えた共感を生み、従業員エンゲージメントを上げていく

 

ーー導入してしばらくして、何か変化はありましたか。

 

柳瀬:Unipos導入から日が経つにつれ、その瞬間の情景が目に浮かび共感を呼ぶような長文の投稿がすごく増えてきましたね。全国の店舗で何が起きているのか分かるようになりました。

新潟の女性社員が休みの日にフォローしてくれた長岡の女性社員に、「娘が体調不良の時に休めるのは、あなたのおかげです。ありがとうございます。」と送っていました。また、ある店舗の店長とスタッフが感謝や激励を送り合っている姿を見て、他店舗の店長が褒め方を学んで投稿し出すということも起きました。

▲「Uniposの投稿は毎日見ているが、あまりに感謝が多く飛び交うので追うのが大変」新卒社員の柳瀬さん。

 

鈴木:これまで職人さんが物置工事の進捗管理をしていたホワイトボードを、デジタル化に伴って撤去したときの名残惜しい思いなどがUnipos上でシェアされた時は、店舗を超えてたくさんの拍手が集まりましたね。私自身、感慨深い思いがしました。その投稿は、他の店舗のデジタル化の後押しになったのではないでしょうか。

先日社内で分析した結果、部署外からのUniposの投稿数が多い社員は、エンゲージメントが高い傾向にあることも分かりました。軽々と店舗を超えてコミュニケーションが波及していくのが、Uniposの良いところです。

▲テレワークやオンラインミーティングに使えるビデオ会議ツール「Zoom」を用い、拠点を超えてSlack活用トレーニングを行なっているカクイチ。こちらはSlackトレーニング後にUniposで送られた投稿。個人だけでなくショールームの店舗ごとのアカウントもあり、東御はぶどう、一宮は小倉トーストなど、そのプロフィール写真が各地の名産品やご当地ゆるキャラなのがカクイチ社のUnipos運用のユニークなところ。各地のゆるキャラ同士が会話するというレアな光景も見られる。

 

小山:疲れたときにUniposを読み返すとほっこりします。感謝のやりとりが蓄積されるところがお気に入りです。一人でポツンとお店にいるだけではモチベーションが上がらないですよね。忙しくても誰かが見てくれるわけじゃないですから。Uniposがあれば、救われる気持ちになります。

絶対無理だと言われた老舗企業のIT改革。「うちでもできたんだから、全国どこの会社でも浸透する」

 

柳瀬:Uniposを見ていて、気配りできる人のいるチームは売上も上げられるのかもしれないと思い始めました。というのも、Uniposで「ごちそうさまでした」というワードが多く出現する営業所ほど営業成績が良さそうだということが分かったのです。これはお菓子などを差し入れているから出てくる言葉で、日頃からまめに労わりあうコミュニケーションが取れているということなのでしょう。

鈴木:今思い出したのですが、先代の創業者の言葉に、このようなものがあります。

「来店したお客様が帰った後、自分でもう一杯お茶を淹れて飲みなさい。」

仕事の後に落ち着いてお茶を一杯飲みながら、「注文してくれたお客さんの工事はうまく行ったのだろうか。お客さんは満足してくれたのだろうか」そう相手に思いを馳せることを推奨していたんです。この言葉には、今のUniposに通じる思想があると感じています。

テクノロジーの進化に伴って、手法はデジタルへと変化していきますが、カクイチらしいこうした思想は、時代を超えて脈々と受け継がれているのだということに気がつきました。だからすぐに浸透したのかもしれませんね。

 

ーーカクイチさんではスムーズに浸透されていますが、レガシーな業界であることや社員のITリテラシー、世代間ギャップを理由にデジタル化になかなか踏み切れない企業も多いと思います。

 

鈴木ITリテラシーもほとんどない平均年齢45歳の弊社でこんなにも早く浸透したのですから、全国どこの会社でも浸透しますよ。SlackとUniposを導入することを有名ITベンチャーの経営者に伝えた時、「エンジニア組織じゃないし、絶対にうまくいかないよ」と言われたんです。でもどうでしょう。これだけ浸透しました。まさにイノベーションですよね。

末端が壊死していってしまうようなピラミッド型の組織ではなく、情報が隅々まで行き届くネットワーク型の組織をつくるのにUniposは向いています。ぜひ試していただきたいです。

 

※カクイチ社のUnipos導入エピソードは、2018年12月7日付 日本経済新聞 夕刊「働き方改革『ほめる』から」内でも紹介されました。