2019.07.11
社内の“推しキャラ”を発見したら、文化醸成と信頼関係強化が一度に叶った話

リリースから4周年を迎えた人気ゲームアプリ「ブレイブソード×ブレイズソウル」を運営する株式会社グリモア。ここ数年で社員が一気に増えた結果、ビジョンや行動指針の浸透が不十分となり、ゲーム運営にも影響が表れていたといいます。そのような中でUniposを導入した結果、そうした複数の課題が一気に解決し、スムーズで効率的な開発体制を整えることができたのだとか。人気ゲーム「ブレイブソード×ブレイズソウル」の開発・運営で知られる株式会社グリモアの取り組みを取材しました。
社員が増えたことで「暗黙知」と「企業文化」が不足していることに気づいた

――Uniposを導入するきっかけとなった組織課題は何だったのでしょう。
神谷:YES。当社は2014年に創業した会社で、最初の2年は創業メンバーを中心とした少数精鋭体制でゲーム開発・運営をしていました。2016年11月にHappyElementsグループにジョインしてから採用を強化し、メンバーが少しずつ増えていきました。
ところが、採用を強化して1年が経ったあたりで、社内である問題が起きていることに気づきました。生産性が落ち、会社としてのパワーダウンが目についたのです。原因を探ってみると、いわゆる“心理的安全性の確保”ができていない状態だったことがわかりました。
――なぜそういった状況になったのでしょう。
神谷:グリモアはセルフマネジメントをベースとしメンバーの自主性を重んじる「ティール組織」を目指しています。それはつまり、他人に評価を委ねるのではなく、自分で自分を評価できる組織です。ところが、気づかぬうちに他人からの評価に依存している状態が蔓延していたのです。我々ゲームクリエイターはユーザーのためにゲームを作りますが、たとえばメンバーが”社長からの評価のため”に作っていたらどうでしょう?それがユーザーのための良いゲームづくりであるとは言えませんし、グリモアらしくもない。そこで、何か手を打たないといけないと思ったのです。
――その解決策としてUniposを選んだのはなぜでしょうか。
神谷:心理的安全性の確保ができていないという当社の課題を深ぼっていくと、大きく二つの原因にたどり着きました。Uniposを選んだ理由は、それらを一度に解決できる最適なサービスだったからです。
一つ目の課題は「暗黙知の不足」です。
ここでいう暗黙知というのは、メンバー同士がもつ言葉にできないけれどわかっている共通の知識や理解のことです。
例えば、何を良いことだと思っているか、何を悪とするか、などといえばわかりやすいでしょうか。
暗黙知があることでメンバー同士の相互理解が進み、信頼関係が構築されます。信頼関係の構築こそ前述した心理的安全性の確保に繋がるのですが、暗黙知が不足しているとこれが成り立ちにくくなります。
暗黙知の不足を解消する手段として、社内ブログなどを考えましたが、書くのに時間がかかったり、敷居が高かったりしてうまく運用していけるかどうかが難点でした。サクッと短い時間で使えて、心理的ハードルも低く、メンバーそれぞれの内面をなんとなく知れるような暗黙知の醸成ツールが必要でした。
二つ目の課題は「企業文化の不足」です。
たとえば「“グリモアが思うかっこよさ”とは何か」という問いに対して全員が同じものを見て”これがグリモアのかっこいいだよね”と言える状態こそ、”企業文化がある”理想の状態であると考えています。逆に言えば、企業文化が不足していることでメンバーがもつ正義が分散してしまい、共通の”かっこよさ”に向かって安心してぶつかりあうことができなくなります。
安心してぶつかりあえる環境、つまり、心理的安全性の確保には文化が必要だと気付いたのです。
かといって「今日からこれをかっこいいと思ってください!」と押し付けるのは文化ではありません。文化は命令してできるものでははなく、行動から生まれるものだからです。会社が考える”かっこよさ”を深く理解でき、具体的な行動を通して文化醸成を手伝ってくれるツールが必要でした。
――暗黙知と企業文化をつくるのに、Uniposが最適だと思った理由は何でしょう?
神谷:暗黙知や企業文化を醸成することに対して、経営側からとれるアプローチ方法は3つあると考えています。
まずは会社の存在意義であるビジョンを掲げること。2つ目が会社らしさを定義する行動指針やコアバリューと呼ばれるものを決めること。そして最後が評価制度をつくり施行することです。
暗黙知や企業文化はこの3つを通して生まれます。ということは、この3つの動きを促進してくれるようなツールがあればいいはずだと考えました。
さらに、欲張りですが、ボトムアップで機能するツールであることを重視しました。ビジョンや行動指針、評価制度をトップダウンからメッセージすることも重要ですが、先程の文化の話と同じで、押し付けるだけでは本当の意味で暗黙知や企業文化が生まれるとは言えないからです。
でも、そんな都合の良いサービスはないよね……と思っていたときに、人事から紹介してもらったのがUniposでした。導入事例などを拝見して、こんなサービスがあったのか! と驚きました。Uniposならメンバー同士で褒めあえる。どんな行動がかっこいいのかをポジティブに知れるし、気楽に雑談感覚で褒めあえれば暗黙知の醸成にもなる。ハッシュタグをうまく使えばビジョンや行動指針の浸透にもつながります。ポイントがお金になることでサービス利用がドライブするだけでなく、小さな評価制度としても機能するだろうと思いました。
Uniposは“推しキャラ”を紹介しているような感覚

――他のピアボーナスサービスとの比較検討はされましたか。
神谷:他社サービスもいくつか検討しました。もちろんですが、各々のサービスに特化ポイントがあり、それぞれとても魅力的でした。その中で、特化ポイントが最も自社課題にフィットしていたのがUniposだったのです。ビジョンや行動指針の浸透だけを目的としたツールではなく、ボトムアップでのコミュニケーションを通しての暗黙知と企業文化の醸成に効果を期待したいという私の考えとぴったり一致していました。
――Unipos以外の施策は何か実施されましたか。
神谷:もちろんです。いろいろと実施していて、普段は関わりが薄い職種の人との相互理解促進のためのシャッフルランチやオンボーディングプログラムの強化は直近始めた施策です。思いついたらなんでもやってみようという考えなので、新しい試みも都度検討し、どんどんチャレンジしています。Uniposもそういった取り組みの中の試みの1つです。
――Uniposを浸透させるために何か工夫されたことはありますか。
神谷:導入時に旗振り役を4人設定して、Uniposを積極的に使ってもらいました。いわゆる“ファーストペンギン”ですね。お金がもらえるサービスと聞くと騙されているんじゃないかと身構えますし、利用も消極的になりがちです。まずは一人飛び込む人がいて、怖くないよ!大丈夫だよ!楽しいよ!と行動で見せていけば、後に続いてくれるペンギンたちが出てきます。また、エモいメッセージとシンプルなメッセージの両方を投稿して「こういう投稿でいいんだよ」という例を示しました。
――ゲームでいうところの“チュートリアル”ですね!
神谷:YES。ゲームでいうところのチュートリアルです。またもう一点、うまくやったなと我ながら思うのは、Uniposの名前を「社内ダイヤ」にしたことです。当社で運営するゲーム「ブレイブソード×ブレイズソウル」の有償通貨(課金アイテム)は「魔宝石ダイヤ」という名前なのですが、サービス名に「ダイヤ」を付けたことでUniposの世界観を親しみのあるものにすることができたと感じています。”社内”は付いていますが、400ダイヤがもらえて、使用期限が1週間、と言われるとスマホゲームプレイヤーならみんな使いきりたくなりますよね(笑)。
――たしかにそうですね(笑)。
神谷:そうはいっても実は導入3ヶ月目くらいに慣れもあってかちょっと利用率が落ちた時期があったんですよ。そのときは入社直後の方々がかなり積極的に使ってくれて、それに刺激を受けて全社的に活用度が上がっていきました。
当社には新しく入った人に向けて「Welcome to グリモア」という投稿を送る風習があって、新メンバーのみんなもそれをきっかけに社内ダイヤとは何かを素早く知ることが出来るし、ダイヤもらっちゃったからお返ししてみよう、という自然な流れが作れているのかなと思います。
――利用率が落ちたときのヒントになりそうですね。投稿についてルールなどはありますか。
神谷:ハッシュタグを必ず一つはつけるというルールを設けています。会社の行動指針の他、当社では月1で全社総会を行うのですが、その場で提示したメッセージをハッシュタグ化して使ってもらっています。もちろん、それ以外にもハッシュタグは自由につけていい……というか、自由につけることを推奨しているので、ハッシュタグでボケる文化が生まれていますね。
――御社らしい印象的な投稿などがあればぜひご紹介ください。
神谷:そうですね……まず拍手が一番ついたのは、人事が派遣社員の方に送った投稿ですね。「戻ってきてくれてありがとう」というメッセージに社員が皆共感して、すごい数の拍手がつきました。

それから、これは僕の投稿なんですが、会議で鼻水が止まらなかったときにティッシュをスッと出してくれた社員の気遣いに感動して投稿したメッセージです(笑)。めちゃくちゃ熱い言葉で褒め称えているのですが、よく読んでいただくと「ティッシュありがとう」と言っているだけなんですよね(笑)。

――すごく面白いです(笑)。まさにエンターテインメントの会社ならではですね。
神谷:私にとってUniposは“推しキャラ”を皆に紹介している感覚なんです。みんなもっと知って!この人すごいの!推せるの!と。オタクな気質も相まってつい熱く語ってしまいます(笑)。

Uniposのおかげで信頼関係が生まれビジョンも浸透し、ゲーム開発にも良い影響が出ている

――Uniposを導入した効果はいかがでしょうか。
神谷:定量的に図るのは難しいのですが、Uniposのおかげで企業文化の土壌ができつつある実感があります。というのも、行動指針ってある程度抽象的なものですよね。それをハッシュタグ化して投稿することで、「そうか、この行動が指針に合っているんだ」と具体化できるんです。そうすると社員も行動指針に沿った行動を具体的にできるようになって、どんどん浸透していっています。
また、褒められることで仕事にも良い影響が出ていると思いますね。直接的な感謝や賞賛をもらえ、可視化されることで自己肯定感が高まっているように感じるんです。自己肯定感が高くなると、他者を肯定する力も強くなる。ゲームは一人で作るものではなく、チームで作るものです。チーム力アップにも寄与しており、それがゲームのクオリティにも反映されています。本当に、Uniposを入れてよかったと感じています。
入社後のオンボーディングにも良い効果があります。Uniposを通して今まで見えなかった社員の動向が可視化されるため、新しく入った人がしっかりチームに馴染んでいるかがわかるのです。人事からの評判も上々です。
――最後に、神谷様ご自身がUnipos導入を通して得たものを教えてください。
神谷:OK。まずは、やはり皆の良いところを自然と探すようになったことです。
社長という立場上、社員を直接褒める機会は実はなかなかないんですね。経営に近い人や私とのコミュニケーションラインにいる人に限られてくる。しかし、Uniposを使いはじめてから普段接することが少ない人のことも拍手で一緒に褒めることができますし、自分も誰かの良いところを探して投稿したくなる。良い行動をお互いに探し合う環境、そして社員全員とそういうつながりが持てたのが嬉しいです。逆に、自分がビジョンや行動指針に反していないかを振り返る良い機会にもなっています。
そして、もうひとつ大きく得たものは暗黙知と企業文化の醸成という二つの課題にUnipos1つでリーチできたという成功体験です。一般的にはこの類の課題はそれぞれ各個解決するのがセオリーですが、複数課題を同時に解決できるポテンシャルや柔軟性がUniposの魅力だと思います。もしかしたら、今後も何かの課題に直面したとき、Uniposに助けてもらうかもしれません。
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