2019.08.29
「仕事を頼む側」と「頼まれる側」の間のモヤモヤを解消できた施策

在庫管理システムやクラウド型WMS、ピッキングロボットなどを駆使し、フルフィルメント事業を展開する株式会社アッカ・インターナショナル。カスタマーサポート事業部では家庭の事情で欠勤・早退するメンバーも多く、管理部門としては「仕事を頼む側」と「頼まれる側」の間に溝が生まれることを危惧していました。そうした現場の課題を解決するためにUniposを導入した結果、メンバー間の溝を事前に解消することができ、モチベーションやエンゲージメント向上にもつながったといいます。導入を推進されたカスタマーサポート事業部・マネージャーの阿保様にお話を伺いました。
「仕事を頼む側」と「頼まれる側」が偏ることで、不満を持つメンバーが出ることを危惧していた

――Uniposを導入するきっかけは何だったのでしょう。
阿保:当社はフルフィルメント企業であり、在庫管理システムやクラウド型WMS、ピッキングロボットなどを事業として展開しています。倉庫とスタジオが神奈川と千葉にあり、同じ場所でカスタマーサポートチームがお客様対応を行っています。
カスタマーサポートチームのメンバーは主婦層が多く、子育てなど家庭の事情で欠勤したり早退したりすることも珍しくありません。それ自体はまったく問題ないのですが、カスタマーサポートという仕事の特性上、どうしても先に伸ばせない業務もあり、休むときは別の人に対応をお願いすることになります。
その際、頼む人と頼まれる人というのは、どうしても偏りがちになります。そうなると頼む側も気が引けますし、頼まれる側としても目に見えるメリットがありません。もちろん、年次評価ではそうした状況を考慮していますが、当社の制度では評価は年に一度。そうなると、頼まれる側としては評価されているという実感が薄いのです。
この状況を放置すると、仕事を頼まれるような優秀な人材が離職してしまう可能性もあると考え、早めに手を打たなければと考えていました。
――評価制度の見直しはされなかったのでしょうか。
阿保:見直しを進めています。しかし、全社的に制度を変更するとなると、すぐにとはいきません。カスタマーサポートチームでは独自に四半期ごとの面談と評価を実施しているのですが、会社の制度がそこに追いついていないので、昇給や賞与に結び付けられていないのです。皆勤のメンバーに対して表彰制度なども検討していますが、やはり全社的に制度化するとなると時間がかかります。その間に離職してしまうメンバーが出てしまうかもしれないという管理側の危機感があり、即効性のある施策としてUniposの導入を検討しました。
現場のリーダーにツールの趣旨やルールなどをしっかり共有することでスムーズな浸透に成功

――Uniposの第一印象はいかがでしたか。
阿保:とても好印象を持ちました。まず、感謝がリアルタイムでメンバー全員に伝わることです。引き受けた仕事をこなしても、その話が当事者間で終わってしまい、周囲からその貢献を認められることがないと、仕事を頼まれる側の不満が徐々に溜まっていくように思います。Uniposなら、仕事を頼んだ側が感謝の気持ちを投稿することで、周囲にもその情報が伝わります。ポイントを送られた側としても、自分のどこが評価されているのかがリアルタイムにわかると充実感があり、心理的安全性の確保にもつながります。リアルタイムでの評価と見える化、それを仕組み化できているところがUniposのすばらしいところだと思いました。
――Uniposの導入について懸念点はありましたか。
阿保:導入目的とは異なる、想定していない使われ方をされるのではという懸念はありました。たとえばポイントを送ってくれたことに対してお礼のポイントを送ったり、ポイント目当てで行動してしまったりといったことです。そうならないようにコントロールしていく必要があるとは考えていました。
――具体的にはどんな対策をされましたか。
阿保:現場のリーダーにツールとしての趣旨やルール、おさえるべきポイントなどをしっかりと共有しました。投稿に対して投稿を返すのは禁止とか、どういうときにポイントを送るのかなどです。さらに導入初期は私も現場リーダー達と一緒に積極的に投稿し、お手本を見せるなどして望ましい使い方を伝えていきました。
――実際の使われ方はいかがでしたか。
阿保:そうした事前の対策がうまくいって、想定通りの使われ方でスタートできました。千葉と神奈川の2拠点で利用を開始したのですが、特に千葉が活発に使われていたので、その理由も分析しました。
――活発に使われている理由とは?
阿保:千葉のチームでは朝礼や夕礼などで毎日のようにUnipos活用を呼びかける声かけをしていたようです。神奈川チームではそれを行わず、最初から自主性に任せていたので、なかなか習慣づかなかったのですが、現在はどちらも活発に使ってくれています。
――2拠点間でポイントが送られることもあるのでしょうか。
阿保:ありますね。基本的には千葉と神奈川はそれぞれで仕事をしているのですが、休日が異なる関係で、どちらかの仕事を別の拠点のメンバーが担当することもあります。そういうときは拠点を超えて投稿が送られていますね。Unipos導入前まではなかったコミュニケーションです。
――Uniposに対する現場の方の反響はいかがでしょうか。
阿保:導入直後は、ハードルの高さを感じているメンバーもいたようです。趣旨を最初から理解して積極的に使ってくれるメンバーもいれば、義務感で始めてしまったメンバーもいたり、何をどうしていいかわからなかったメンバーもいたようです。ただ、丁寧に趣旨を説明し、リーダー層が実践してみせることで次第に全員がきちんと使ってくれるようになりました。
現在は現場からも非常に良い反響があります。Unipos導入の効果を測るために現場からの声を集めているので、一部をご紹介します。
「忙しくてもコミュニケーションがとれている実感がある」
「他拠点のメンバーにも素直に気持ちを伝えられる」
「普段は他のチームの動きが見えないけれど、Uniposなら誰がどういうことをしていているのか見えて、自分にとっても刺激になる」
「拍手をもらえると、ポイントがもらえるだけでなく、見てくれているという実感もわくので嬉しい」
「感謝の気持ちを言葉だけでなくポイント付与というアクションで表明できるので、送る側としても嬉しい」
「週末にポイントが余っていると送ろうという気持ちになる。誰に何をしてもらったかを考えることで、結果的に1週間の仕事を振り返る良いきっかけになる」
称賛や評価がリアルタイムで共有されることでモチベーションがアップ、メンバー間の溝も事前に防ぐことができた

――感動した投稿や御社らしい投稿があればご紹介をお願いします。
阿保:カスタマーサポートならではというとクレーム対応です。たまたまあるメンバーがクレームに対応しているときに、後ろの席にいる人がその内容を聞いていて、Uniposで「がんばってたね」とポイントを送ってくれることもあるようです。同じチームなら案件の内容を知っているので、チャットツールで褒めてくれたりもしますが、違うチームのメンバーから称賛の声が届くのはUniposならではですね。

また、通常業務以外にもチームを組んで応対品質管理や環境改善といったプロジェクトに取り組んでいるのですが、その中で一番良い評価を得た人にチームとして全員がポイントを送り合ったりもしているようです。たとえば応対品質のテストの得点がもっとも良かった人をチーム全員で称賛するといったように。これは現場から自然に生まれてきた使い方ですね。

――ハッシュタグなどは活用されていますか。
阿保:導入初期、何を投稿していいかわからないときにヒントになるようなタグを設定しました。Uniposに最初から設定されているタグの他、チーム名やプロジェクト名、さらに「#電話番長」や「#欠勤者フォロー」「#素敵な言葉遣い」など仕事内容に関するハッシュタグです。これらがあることで、どういう投稿をすればいいのかがわかりやすくなった面もあると思います。

――Uniposを導入したことで、当初感じていた課題は解決しましたか。
阿保:解決できていると思います。欠勤や早退するメンバーも仕事を頼みやすくなり気持ちよく休めるようになりましたし、頼まれる側もリアルタイムで評価や称賛が共有されるのでモチベーションアップにつながります。実際、現場からも「目に見える形で評価されるのは嬉しい」という声が上がっています。頼む側と頼まれる側の間に生まれる可能性のあった溝を、Uniposで防ぐことができたと思います。
――最後に阿保さんご自身がUniposの導入を推進する上で得たものを教えてください。
阿保:私はもともと神奈川のカスタマーサポートチームにいたのですが、本社に移ったことで現場の様子が見えにくくなっていました。それが、Uniposの導入を通して現場の様子がまたわかるようになりました。
また、神奈川と千葉にはそれぞれ現場のリーダーがいるのですが、Uniposを通じてお互いの拠点の仕事ぶりがわかるので、良い刺激になっているようです。そういった仕組みづくりを進めることができたことは、マネジメント的な観点でも学ぶところが多かったですね。
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