2021.06.11
導入の狙いはコンタクトセンタースタッフのエンゲージメント向上

ロードアシスタンス事業をはじめ様々な事業を展開するプライムアシスタンス。全国に拠点を持ち、多くのスタッフがシフト制で働いている同社は、「なかなかスタッフ同士が会えないので感謝を伝える機会が少ない」という課題を改善したいと考えていました。そこで、同社では社内の感謝と貢献の可視化、それによるエンゲージメント向上を目的としてUniposを導入。想像以上に現場での浸透が進み、社内に“褒め合う文化”が醸成されてきたといいます。
導入の経緯と活用のポイントについて、モビリティ事業部 特命部長の三浦 梓氏、
人財開発部 副主任の谷口 歩夢氏、人財開発部の山谷 健太郎氏にお話をうかがいました。
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- 導入前の課題感:多拠点かつシフト制のため貢献に対して感謝する機会が少ない。コンタクトセンターのエンゲージメント向上を実現させたい
- 活用方法 :Uniposを通して感謝する機会を増やす
- 運用のポイント:最初は投稿の内容や文章の長さなどについてルールを設けず投稿のハードルを下げ、浸透後は社内報でより効果的な活用を促す
- 導入後の効果 :
① 拠点や部署を超えたコミュニケーションが生まれた
② 現場の状況が可視化され、離れていても各拠点の様子がわかるようになった
③ コンタクトセンターのスタッフを中心に組織のエンゲージメントが向上した
④ 新卒採用の説明会などでUniposの取り組みを話すと「社員を大切にする良い会社」という印象を持ってもらえるようになってきた
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導入の狙いはコンタクトセンタースタッフのエンゲージメント向上
――Uniposを導入するきっかけになった組織課題について教えてください。
三浦:Uniposを導入した狙いは組織エンゲージメントの向上です。弊社は様々な事業を展開していますが、その中でも軸となるのがロードアシスタンス事業です。バッテリー上がりや燃料切れといった車のトラブルに遭われたお客さまからお電話をいただき、全国のパートナー事業者と連携して対応にあたっています。
お客さまからのお電話を受けるコンタクトセンターは24時間365日対応です。つまり、コンタクトセンターのスタッフはシフト制での勤務となります。そうなると、同じ拠点であってもなかなか会えず、業務で助けてもらっても感謝する機会を逸してしまいがちです。BCPの観点から、同じ業務を複数の拠点で行っていますが、拠点の違うスタッフとの連携であれば、会う事もできないため、なおさら機会は少なくなります。
また、繁忙期にはスタッフも疲弊しがちで、離職が増えるという課題もありました。Uniposで貢献と感謝を可視化できれば組織のエンゲージメントが向上し、離職率も改善できるのではないかと考えました。
――Uniposの導入時期はいつ頃ですか?
三浦:2018年の6月です。派遣社員なども含め、全社1150名ほどで利用しています。
上司や役員に粘り強く説明し、まずはトライアルで導入
――どのように導入を進めていったのでしょうか。
三浦:当時、私と谷口は人事総務部に所属していました。まず、エンゲージメントの重要性と、そのための施策としてUniposの導入を人事総務部の部長に提案しました。ところが、最初はあまり芳しい反応がもらえなかったのです。
谷口:「仕事で褒め合う」という点について疑問を感じたようです。。。当時の部長とは、ジェネレーションギャップもあったのかもしれません。
――そうした反応に対してお二人はどのように対処されたのでしょう。
三浦:粘り強く説得を続けました。「部長の世代はそう思われるかもしれませんが、今の若い社員には必要なことなんです」という感じで話をしました。
谷口:すると、最初は否定的だった部長も考えを改めてくれたのです。自分自身でもいろいろと調べて、最終的には「エンゲージメントの大切さがよくわかった」と言ってくれました。
――すばらしいですね。
三浦:とはいえ、大変だったのはここからです。導入するには経営陣を納得させなければいけません。私が役員会でUniposについて説明しましたが、役員も最初はあまりしっくりきていない様子でした。「これだけのお金をかけて、どれだけの効果が出るのか?」という疑問を感じたようです。
たしかに、Uniposの“効果”を“数値”で出すのは難しいです。サーベイツールなどでの検証が必要ですが、導入当時にはまだ効果を証明できる手段がありませんでした。そこで、「まずは試行実施させてください。見守ってください」と半ば強引に押し込みました。もう1つ幸運だったのは、社長が「これはやるべきだろう」と言ってくれたことでした。
――社長様はなぜUniposが必要だとお考えになったのでしょう。
三浦:社長は以前から現場で起きていることや社員のことがわからないという課題感を持っていたようです。たとえば現場で活躍している社員が表彰されたとしても、その社員の人となりまではなかなか情報が上がってきません。表彰式では、きちんとその社員がどんな人なのかを知った上で表彰したいと思っていたようです。そんな社長にとって、Uniposは社員のことを知るのに良いソリューションだと感じられたのではないでしょうか。実際に今、表彰式で社長が社員とコミュニケーションをとる際には、Uniposの投稿が会話のきっかけになっているようです。
現場に導入する際は担当者が全スタッフに直接説明することを意識
――現場への導入はどのように進めていったのでしょうか。
谷口:私と三浦が全国の拠点を訪問し、Uniposの説明会を実施しました。意識したのは、導入の趣旨や使い方などを直接伝えることです。リーダーにだけ説明して、あとはリーダーからメンバーに伝えてもらうのではなく、私たちから全員に直接説明する機会を設けました。コンタクトセンターのメンバーはシフト制で働いているので、全員に伝えるために説明会はかなりの回数おこないましたね。たとえば鹿児島の拠点だと、まる2日かけて10回以上同じ内容の説明会を実施しました。
――説明会ではUniposについてどのように説明されましたか。
三浦:導入趣旨はもちろんですが、一番強調したのは「気軽に使ってほしい」ということです。最初は「お菓子をくれてありがとう」くらいでもぜんぜん構わないので、気軽にどんどん投稿してほしいと伝えました。やはり慣れるまでは投稿するのが恥ずかしいという思いもありますから、とにかく投稿のハードルを下げたかったのです。この方針は正解でした。特に若手社員の反応がよく、Uniposに関するアンケートでも非常によい結果が出ました。
谷口:こうした現場の盛り上がりをフィードバックしたことで、役員陣も納得できたようです。というよりも、ボトムアップでムーブメントが起きたことで、認めざるをえない状況になったという感じでしょうか(笑)。
――そして、いよいよ本格導入となったわけですね。
山谷:トライアルが終わったタイミングから、私もUniposの担当チームに入りました。ここからは第2フェーズとして、より効果的なUniposの活用を進めていきました。たとえば投稿内容のアップデートです。これまでは投稿数を増やすために投稿内容は何でもいいことにしていましたが、ここからは「文字数を長くしてみましょう」や「バリューハッシュタグを活用しましょう」といった呼びかけをおこなっていきました。こうした活用法についてはUniposの担当者の方からもご提案をいただき参考になりました。
三浦:呼びかけといっても個別に指摘するというわけではなく、「PRAPOS」で通達しました。「PRAPOS」とは、Uniposに関する内容をまとめた社内報です。“プライムアシスタンスのUnipos”なので「PRAPOS」です。
Unipos専用の社内報を作成し現場での活用を推進
――ユニークな取り組みですね。「PRAPOS」について詳しく教えてください。
山谷:PRAPOSはだいたい2ヶ月に1回のペースで発行しています。一定期間内に「もっとも多く投稿した人」や「もっとも多く投稿された人」、「もっとも多く拍手した人」などを選出して紹介したり、よい内容の投稿やUniposに関するスタッフインタビューを掲載したり、Uniposの新機能の解説をしたりしています。
たとえばPRAPOSで実施した「他己紹介」は、成功した企画の1つですね。同じ部署の仲間や関わりのあるメンバーについて、「#他己紹介」のハッシュタグをつけて紹介するUnipos投稿企画です。
私たち運営チームは、レポートを見ることでユーザーのUnipos利用率などがわかるので、こういった企画に参加してくれそうな人には直接声をかけるなどして盛り上げていきました。
――社員の中にはUniposをあまり使ってくれない人もいると思います。そうした方々にどんなアプローチをされましたか。
山谷:Uniposを使っていない人に無理に使わせることはしていません。それよりも、レポートを見てUniposの利用率が高い部署や社員を見つけたら、そういう人にもっと使ってもらうことにしています。周りが盛り上がっていると、それまで使っていなかった人も気になって使い始めることも多いんですよ。
また、意外と効果があったのが地道に声かけをすることです。研修などでコンタクトセンターの人に会ったら、「Unipos使ってますか?」と聞いて、使っていないようなら「ぜひ使ってください!」とおすすめしています。そうすると、けっこう使ってくれるようになるんですよ。Uniposを使っていない人でも、理由を聞いてみると決してUniposを使いたくないというわけではなく、単純に「よくわからないから使っていないだけ」というケースは多いんです。そういう人は一度使い始めると継続して活用してくれます。
――「アクティブなユーザーを見つけた方法」について詳しく教えてください。
山谷:担当者の分析用として提供していただいている資料の「組織コンディション事前察知レポート」を活用しました。一番利用したのが「4パターンの組織状態」の指標です。4パターンのうち、「たのしいグループ」の社員に積極的に活用してもらえるように促しました。「ギリギリの組織」にUniposの活用を促しても難しいですから、それよりも利用率の高い部署を活性化し、ボトムアップする方法で全体を底上げしていったのです。
今後は、まだUniposを使いこなせていない管理職に対して、Uniposを日常的なマネジメント方法として活用してもらえるように勧めていきたいですね。「組織コンディション事前察知レポート」のデータはマネジメントでとても有用ですから、もっと生かしていきたいと考えています。
部署や拠点を超えて感謝と称賛が可視化
――Uniposをご覧になっていて印象的な投稿はありますか。
山谷:私が印象的だったのは、鹿児島のコンタクトセンターの「上司が加湿器を洗ってくれた」ことに対するUnipos投稿ですね。こういった日常のちょっとしたことに対するUniposを見ると、現場の光景が目に浮かびますし、いい雰囲気の職場なんだろうなとうれしくなります。こうして多拠点のことが東京にいてもわかるのがUniposのすばらしいところです。
三浦:弊社の事業は天候に左右されやすく、災害時などは全社一丸となって業務にあたります。他拠点での受電応援に対するUnipos投稿を見ていると、部署や拠点を超えた絆が感じられて、誇らしい気持ちになりますね。
谷口:ほかの拠点のメンバーが受電応援してくれていることは、もちろん認識しているのですが、これまでは「誰が応援してくれたのか」まではわからなかったんですよね。Uniposを見ることで、そういった状況が全社に周知されるのはすばらしいことだと思います。
――最後に、あらためてUniposを導入したことについてどう感じているか教えてください。
三浦:感謝や貢献がしっかりと可視化され、拠点間のつながりもより強く感じられるようになりました。離れていても感謝ができて、シフトが違ってもお互いのことを知れるすばらしいソリューションです。
谷口:新卒採用の説明会でもUniposの取り組みについて説明しているのですが、学生の方には「社員を大切にするよい会社」という印象を持っていただけているようです。採用の面でもメリットを感じています。
山谷:上司や部下といった立場に関係なくメッセージが送られていて、うまく機能していると感じています。導入して約2年半で、社内に褒め合う文化が醸成できてきたと思います。
――ありがとうございました。
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