2021.12.17

横やナナメのコミュニケーションが活性化できた施策

まとめ

  • コロナ禍でお客様対応が激減するも、成果は下がらず
  • “望ましい行動”がスタッフに周知され、組織全体の行動が変化
  • 商業施設、オフィスビル主催のホスピタリティ大賞を受賞
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サントリーパブリシティサービスは、サントリーの工場見学や、全国各地の企業PR施設、文化施設などの運営管理を行う企業です。全国80箇所以上の施設(拠点)で、多くのスタッフがお客様対応などの業務に携わっています。

同社は、もともと拠点ごとにマネジメントラインがある縦割りの組織であり、拠点間や本部と拠点のコミュニケーション不足という課題を抱えていました。そこで、横やナナメのコミュニケーションを活性化し、縦割り組織を解消するためのプロジェクトを発足。その一環としてUniposを導入しています。

Uniposを導入した背景や、導入効果について、PRコミュニケーション第2事業 課長の石垣様、PRコミュニケーション第2事業 主任の今里様、拠点リーダーの永束 様、奈良 様にお話を伺いました

従業員の承認欲求が満たされ、チームワークの良い組織になることを目指してUniposを導入

※撮影のため一時的にマスクを外しています

――――サントリーパブリシティサービス様の事業について教えてください。

石垣:弊社はサントリーの工場見学から始まり、サントリーグループ内外の企業PR施設、商業施設、文化施設などの運営を全国でお任せいただいています。

私のセクションでは、オフィスビルや商業施設など、多くの企業PR施設の運営に携わっております。関東、東海、関西に拠点があり、各拠点にサービススタッフと拠点責任者がおり、責任者を取りまとめる役割を、主任や課長が担っています。私と今里は本部の担当で、奈良と永束は拠点の責任者をしています。

――Uniposを導入した理由について教えてください。

石垣:Unipos導入の目的は当初2つありました。

一つ目は、Uniposでコミュニケーションを活性化させ、チームワークを良くすること。

二つ目は、Uniposを通じて「感謝」「承認」を送りあうことで、従業員の承認欲求を満たし、自ら成長したいという想いを後押しすることです。

背景にあったのは、「スタッフが勤務する各拠点を安定運営させるためにはどうすればいいか」という課題です。要員の充足やマネジメントの状態など、安定運営のための4つの大切な要素をピックアップしたなかで、私たちが特に重要だと考えたのが「コミュニケーションの充実」でした。

これを実現するため、推進することにしたのが「縦横ナナメの関係づくり」と、「“雑談”をベースとするコミュニケーション」です。

これまで、弊社では拠点の距離が離れていることもあり、エリアや拠点といった縦割りの組織運営になりがちでした。縦のラインが強いと、情報伝達が早くなるというメリットがあります。

一方で、コミュニケーションを取るラインが縦にしかないと息が詰まってしまうこともあります。

縦だけでなく、横やナナメのラインを強化していかないと、コミュニケーション不足が解消されないことに気づいたのです。

弊社のスタッフは施設の受付などで働くため、業務中にスタッフ同士で気軽にコミュニケーションを取ることが難しいのですが、Uniposを通じて「あの時はフォローしてくれてありがとう」「あの対応が素晴らしかった」などのスタッフ同士のコミュニケーションが増え、それが見える化したことがチームワークの強化につながっています。

“所属する喜び”が生まれ、自然と現場のモチベーションが向上

――Uniposの利用をどのように活性化していったのでしょうか。

石垣:最初は4拠点から導入し、だんだんと導入拠点を増やしています。

導入理由に挙げたように、当初は、Uniposでメンバーの承認欲求を満たし、そこから自己実現欲求につなげたいと考えていました。マズローの欲求5段階でいうと、上位1段目と2段目に位置づけていたのです。しかし、いざ導入してみると、「Unipos上で目立つことが恥ずかしい」とか、「上司に見られるのが気になる」といった意見も出てログインしてくれない人もいました

そこに対して、無理やり使わせるのではUniposアレルギーになってしまいます。

そこで、現在はUniposを「所属する場の延長」であり、カジュアルなコミュニケーションを取るための場と位置づけを見直しました。

お客様の前で会話をしているとおしゃべりしていると思われますし、対面での接客が業務の中心であるスタッフは、会社のメールアドレスも持っていません。新人もいつまでも認められた実感を得られず、もやもやした気持ちが溜まってしまいがちだったのです。

そうしたカジュアルなコミュニケーションの場として、Uniposは最適でした。時間や場所を選ばず、短文で気軽にメッセージを送れる“雑談のプラットフォーム”として機能しています。これは、マズローの欲求5段階だと、3段目の「社会的欲求」と4段目の「安全欲求」にあたります。

結果として、Uniposは思っていた以上に拠点を越えて広がりを見せてくれました。

各拠点のコミュニケーションが活性化しただけでなく、拠点をまたいだコミュニケーションも生まれるなど、横やナナメのつながりが強化されました。また、コロナ禍でお客様が激減するなかでも高いモチベーションを維持できたり、個人だけではなくチーム全体でスキルアップを図れるようになったり、会社のバリューが現場に浸透したりと、多くの効果が生まれています。

ここからは、各拠点における具体的なUniposの活用例と導入効果についてお話します。

先輩に意見しにくい雰囲気を改善できたポイントとは

――Uniposではどんな効果が出ていますか?

永束:私が責任者を務める拠点での効果についてお話します。新宿のオフィスビルで、主にビル全体のインフォメーションと会議室の管理を行う拠点です。もともと当拠点は、ベテラン責任者層がリードする組織で、なかなか先輩に率直な意見が言えなかったり、メンバー間で遠慮して指摘や対話ができなかったりなどの課題がありました。

そこで、お互いの理解を深め、多様性を認め合うためにUniposを活用しようと考えました。Uniposでお互いに相手の良いところを躊躇なく伝え、それを素直に受け入れられるようにメンバーの心情が変化した結果、チーム内での対話が活発化したり、やりたいことを発信・応援したりする好循環が生まれています。

そういった変化は業務にも好影響を与えています。例えば、ハッピーレスポンス です。ハッピーレスポンスとは、お客様をカウンターでご案内した後、お客様がわざわざ戻ってきて言ってくださるお礼の言葉のことです。2020年はコロナ禍によりお客様対応が激減したのですが、私たちの方から迷っているようなお客様に積極的にお声がけするようにした結果、前年以上にハッピーレスポンスをいただくことができました。「積極的にお声がけをしてみよう」というスタッフのアイディアを尊重し、皆で挑戦してみて、Uniposでお互いを認め合いながらモチベーションアップした効果だと感じています。

――すばらしい成果ですね。

▲ハッピーレスポンスを称賛するUnipos

▲お客さま対応を評価するUnipos

「ハッピーレスポンス」の具体的な件数に触れるなど、現場の活躍がリアルに感じられます。

チーム全体のレベルを底上げできた理由とは?

奈良:次に私からご説明します。私が責任者を務める拠点は、六本木の商業施設・オフィスビルです。チームは12名で、うち責任者が3名、外国籍のスタッフもおります。当拠点には業務にあたるカウンターが2ヶ所あり、巡回業務もあるため、メンバーが出払っていることが多く、業務中にコミュニケーションする機会が少ないという課題がありました。すれ違ったとき、簡単に「ありがとう」は伝えられても、どこがどう良かったなど、具体的に伝え、褒めることが難しかったのです。

また、メンバーは接客のプロフェッショナルとしての意識が強く、お客様のお問い合わせを1人で完結させようと努力する傾向がありました。そのため、個人のスキルは高くてもチームワークに課題がありました。心の中ではお互いを思いやっていても、それを言葉にする文化がなかったのです。

そうした中で立てた目標が、個々のスキルをチームのスキルに変えていくことです。そのために、まずは責任者層から積極的にUniposを使って感謝を伝え、メンバーの良い行動を褒めることを心がけました。

 ▲責任者から部下に向けたUnipos。良い行動や業務スキルを称賛しています。

Uniposでメンバーの良い行動を称賛することで、他のメンバーにも「こういう行動が望ましい」ということが伝わり、繰り返し良い行動を取ってくれるようになります。責任者が関心を持ってスタッフを見てタイミングを逃さず褒めるなど、チームをマネジメントする力も向上しています。

Uniposを中心とした施策により、2021年4~6月期には、商業施設・オフィスビル主催のホスピタリティ大賞を受賞することができました。これは数年ぶりの快挙です。

チーム全体のスキルを底上げできた事例をもっと見る

▲商業施設・オフィスビル主催のホスピタリティ大賞を受賞した事例と、その際に送られたUnipos

横やナナメの関係性が強化され、拠点を越えたコミュニケーションが想像以上に活性化

――その他、事業部全体としてUniposを導入した効果をどう感じていますか。

石垣:コロナ禍でリアルな接点が減る中、導入目的でもあったコミュニケーションが活性化していると感じます。拠点内だけでなく、拠点スタッフと本部の主任や課長など、職場や役職を越えたコミュニケーションも生まれており、横やナナメの関係性づくりに効果が見られます。

Unipos以外にも、あえて、拠点をシャッフルしてプロジェクトを行うこともあります。本来は縦のラインだけで取り組んだ方が効率は良いかも知れません。しかし、縦のラインの強さに甘えるのではなく、あえて普段接しない他拠点の人と一緒に取り組むことで多様な意見や方策に触れるなど、組織全体のコミュニケーションや取り組みを活性化することができます。

永束:Uniposを通して他拠点の取り組みが見えるのは、いい刺激にもなっています。 各拠点で面白い取り組みが行われているので、つい拍手を沢山してポイントがなくなることも多いです(笑)。拠点ごとに業務内容やスタッフの役割が異なるので、他の施設の様子がわかるのはスタッフにとっても新鮮で、「他の施設がこんなことしてるなんて知らなかった」「こんなことやってたんだ!」という気づきや、新しい情報のキャッチアップ のきっかけになっているようです。

▲拠点同士の「交換留学」という取り組みで送られたUnipos

石垣:当初は拠点を越えたコミュニケーションがこんなにも起きるとは思っていませんでした。関東と関西など遠くの拠点同士のコミュニケーションも活性化していますし、クライアントから表彰された人に他の拠点のスタッフから「Uniposでよく見かけていたけど、ますますファンになりました」というUniposが送られるなど 、思ってもいなかった交流が起きています

▲Uniposが起点となって思わぬ交流が生まれた例

バリューが定着し、マネジメント面にも効果を発揮

石垣:弊社では2019年に企業理念を改定しました。その際、会社のビジョンと働く従業員の考動とを結び付けるために、新たに「バリュー(3つの価値観)」を制定しました。施設で働くスタッフにも、バリューに親しんでもらいたいと考え、Uniposのチームハッシュタグ機能にバリューの文言を設定しています。

 

このバリューハッシュタグを添えたUniposで称賛されているということは、バリューが体現できているから褒められているということです。つまり、バリューが体現できていること=会社の目指すサービスを実践できているというスタッフの自信につながります。

また、社内からMVPを投票で選出する「SPSサービスフェスティバル(Sフェス)」の投票基準としてもバリューを用いています。「社是を朝礼で唱和する」とかではなく、いろんなところで会社のバリューを感じながら自然に涵養(かんよう、※)させていくのが私達の目指しているスタイルです。

※水が自然に染み込むように、無理をせずゆっくりと養い育てること。サントリーパブリシティサービスではこの言葉をよく使うそうです。

今里:他にも、Uniposはマネジメントにも効果的だと感じています。Uniposはカジュアルな場ですから、業務の時とはまた違ったスタッフの意外な一面が見えることもあります。責任者には見せてくれない普段の表情が見られるのはUniposならではの良さです。

Uniposに書いていたことがきっかけで業務以外の特技について話題になったり、そのスタッフの良さに気づいたりすることもあります。

現場でも感謝の気持ちは直接伝えているのですが、あえてUniposに書いているというスタッフもいますね。あえて書くことで、その人のすごさを他の人にも知って欲しいという思いがあるようです。また、文字にすることで、その行動の何がすごかったのかについて自分自身の理解も進みますし、Uniposを送られた側もまた次の行動につなげてくれるのです。

石垣:本部担当は複数拠点を見ていますから、現場に毎日顔を出すことはできません。そうなると、なかなか現場のスタッフのことがわからなくなってしまいます。コロナ禍で出張なども制限される中で、Uniposを通して現場で起きていることがわかるのは、マネジメントする上で非常に有効です。

「当たり前にやっていることに対しても感謝する」という価値観がUniposで生まれた

――最後にあらためてUniposについての想いをお聞かせください。

奈良:Uniposを使うことで、相手の良いところを探し、感謝を言葉にして伝え合うなど、お互いがお互いを大切にしようという行動が増えてきたと感じています。

永束:拠点のスタッフは、他の拠点の応援に行くことも多いのですが、その時の出来事が翌日Uniposで送られてきたりするんです。「○○さんの説明の仕方がすごく素敵でした」みたいに送ってくれたりすると、他拠点での活躍が垣間見れてすごく嬉しい気持ちになります。普段、なかなか会えない人に想いを伝えるのにもUniposは役立っていると思います。

記載されている役職・在籍やUniposの機能・UIについてはインタビュー当時のものです。

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