2022.05.17

丁寧な対話と"じわじわ作戦"で「褒める文化」への組織変革 心理的安全性スコアも大幅向上

まとめ

  • ・歴史のある大企業同士の統合。グループとして結束力をより強めていく
  • ・マネジメント層と対話し、無理強いはせず前向きな部署から導入
  • ・Unipos×心理的安全性サーベイで組織状況を可視化、スコア向上
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古河スカイと住友軽金属工業の経営統合によって2013年に誕生した、世界トップクラスのアルミニウム総合メーカー、UACJ。同社は2020年より構造改革に着手し、その一環として理念の再定義および浸透、そして心理的安全性の向上という方針を打ち出しました。

さらに同社では、それらの目標を実現するための施策の1つとしてUniposを導入。わずか4ヶ月間で心理的安全性のサーベイスコアが大幅に上昇し、理念浸透や褒める文化の醸成に寄与したといいます。

Uniposを導入した背景や、導入の効果について、経営戦略本部 新しい風土をつくる部 部長・斎藤和敬 様、太田万里 様にお話を伺いました。

理念浸透と「褒める文化」の醸成を目的に導入

――Uniposを導入するきっかけになった組織課題について教えてください。

太田:Unipos導入の目的は2つありました。それは、企業理念の社内浸透と企業風土文化の醸成です。当社は2013年、古河スカイと住友軽金属工業の経営統合により誕生しました。統合からしばらくは順調にビジネスを拡大していったのですが、ここ数年はグローバル市場の環境が変化したこともあり、組織として構造改革を進める必要性を感じていました。

その構造改革の一環として着手したのが、UACJとしての理念の再定義と企業風土文化の醸成でした。ちょうど合併から約9年が経ち、UACJのプロパー社員や、UACJになってから入社した中途社員も増えてきています。今こそ理念を再定義し、UACJとしての企業風土を作り、グループ会社として1つになるタイミングだと考えたのです。

新しい企業理念は「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」と定めました。
また、理念の実現に向けて社員の道しるべとなる行動指針「UACJウェイ」も設けました。「UACJウェイ」では「安全とコンプライアンス」を行動原則とし、その上で「相互の理解と尊重」「誠実さと未来志向」「好奇心と挑戦心」という3つの価値観を指針として定めています。


▲構造改革の6つの要素

企業文化風土で目指したのは、「理念・ウェイが浸透し、自然に体現する人が増えること」や「褒める文化」の醸成です。これまで、当社は褒めるというよりも「厳しく叱って育てる」という文化が強かったように思います。もっとポジティブなコミュニケーションを増やすことができれば、心理的安全性も高まり、社員のエンゲージメントも向上するのではないかと考えました。

ただ、合併前の古河スカイと住友軽金属工業は共に創業から100年を超える歴史ある企業でした。当然、それぞれの組織には長い歴史で培われた文化風土があります。UACJとしての一体感を高めるためには、新しい理念の浸透と組織文化風土の醸成を促進するためのソリューションが必要だと考え、Uniposの導入に至ったのです。

斎藤:私は6年前に中途で入社したのですが、当時のUACJの雰囲気について「ものすごく真面目だな」と感じたことを覚えています。その背景には、太田が申し上げた「厳しく叱って育てる」文化が影響していたのではないかと考えました。真面目なのは悪いことではないのですが、あまりきつい口調で叱られると人は萎縮してしまい、叱られないように無難にいこうという思考回路になり、挑戦心が育たない場合もあります。

もちろん、個別に見れば当時から高い意欲を持って挑戦していた社員もいました。
しかし、1人だけ100歩進んでも会社の文化は変わりません。1人の100歩よりも、100人の1歩を進めたい。そう考えたのです。そのように思っていたのは私や太田だけではなく、若手からベテランまで幅広い層の社員から同様の意見が上がってきていました。

この課題感と、企業理念リニューアルプロジェクトがぴたりと重なりました。「どんな風土を作りたいのか」という点を行動指針に盛り込み、社内に浸透させることで、新しい会社の風土を作っていけると思いました。

――それで、行動指針の1つとして「好奇心と挑戦心」が定められているのですね。企業理念の刷新は会社としても非常に大きな変革ですが、斎藤様のご提案に対して経営陣の方々の反響はいかがでしたか。

斎藤:経営陣も非常に前向きでしたし、社長の石原も「いいね。すぐやりましょう」と背中を押してくれました。経営陣のフットワークが軽かったので、プロジェクトはとてもやりやすかったですね。

とはいうものの、新しい取り組みを始めようとすると、反対する人は必ず出るものです。いかに反対の声と向き合って、変化を促していくのかがプロジェクトの鍵になりました。
ちなみに、私と太田が現在所属する部署は「新しい風土をつくる部」といいます。新しい企業理念や行動指針が決定してすぐに発足した部署で、理念の発信と浸透施策の実施が主な役割です。

――理念浸透のための部署を新たに発足させたところからも、会社として本気で取り組んでいくという姿勢が伺えますね。

Uniposは企業風土をつくる様々な仕掛けの1つ

斎藤:もともと、社員が会社に対する要望などを投稿する「目安箱」という仕組みを導入していたのですが、そこに「社員同士が褒め合える仕組みがほしい」という声があったのです。要望を受けていろいろと調べた結果、Uniposに出会ったというわけです。

太田:ちょうどコロナ禍でテレワークに移行しており、オンラインで気軽に褒め合える仕組みを作りたかったこともあってUniposに興味を持ちました。

――理念浸透や風土づくりのために、Unipos以外にも実施されている施策はありますか。

太田:はい。いろいろな施策を同時進行で行っています。たとえば、理念・ウェイの浸透を目的とした組織横断のアンバサダーの設置です。「風土をつくる」ことから、社内では「ふどつくフレンズ」と呼んでいます。

斎藤:実はこの取り組みはニチレイフーズさんの「ハミダスフレンズ」からヒントを得たネーミングなんです。ハミダスフレンズは「型にはまらずはみだしていこう」というコンセプトで活動されているそうで、それを聞いたときに「活動内容が似ているな」と思い、ニチレイフーズさんにお願いしてネーミングをお借りしました。

太田:今では社内にも定着して、「ふどフレ」みたいに略称で呼ばれ始めています。

斎藤:他にも、社内イントラに理念に関する記事を増やしたり、理念研修を行ったり、表彰制度を設けたりと、あの手この手で盛り上げています。Uniposもそうした理念浸透施策の一環という位置づけです。

Unipos導入から4ヶ月で心理的安全性のサーベイスコアが大幅向上

――UACJ様では、Uniposと同時期に心理的安全性のスコアを調査するサービス「ZENTech」を導入されています。どのように活用されているのでしょうか。

太田:ZENTechで心理的安全性のスコアを把握し、結果をマネジメント層にフィードバックしています。ポイントは各部長と個別に会話することです。
また、スコアを配って終わりではなく、一緒に結果を見て今後のことを考えるというスタンスを重視しています。スコアだけを渡しても、結果によってはマネジメント層が悩んだりショックを受けたりして、どんな手を打てばいいかわからず放置されることもありえると思ったからです。

斎藤:太田は簡単に言いますが、部長だけでも20人はいますからね。それだけ多くの役職者と話すのは、なかなかできないことですよ。

太田:たしかに緊張はしますが(笑)、普段は話したことのない方もいて、良い機会だと思いました。それに、1対1だからこそお話していただけることもあるんです。まだUniposを導入していない部署の場合は、Uniposを導入した背景や、他部署での導入効果などを丁寧に伝えました。決して相手の思いを否定せず、尊重した上でお話することで、それまでUniposに否定的だった方にも納得いただけました。

――具体的にはどんなお話をされるのですか?

太田:データをお見せして「こういう傾向がありますね」と分析したり、良い結果が得られた部署が実践している心理的安全性を高める秘訣をお伝えしたりしています。

ex)良い結果が得られた部署で実践している、マネジメントをするうえでの工夫
・部内の部課長で、【部下の話を否定せずに聞く】と決めている。
・週に一時間程度グループミーティングの時間を設けて、仕事で躓いている箇所を相談できる時間を設定している。

分析で終わらず、次に何をすべきかを一緒に考えることで、確実に改善につなげられるのです。ですから、ヒアリングはなるべく良い結果が出た部署から行うことにしています。そこで得られた知見を、結果が振るわない部署にフィードバックするという流れです。

――Uniposを導入したことで、心理的安全性のスコアはどう変わりましたか。

太田:驚くべきことに、Uniposを導入して4ヶ月で心理的安全性スコアが0.5ポイントも上昇しました。心理的安全性スコアは0.3も上がればはっきりわかるくらい改善したと言われる基準なので、0.5ポイントはかなり大きく上がったといえます。正直、導入から短期間で、ここまで結果がわかりやすく出るとは予想していませんでした。

斎藤:もちろん、Uniposだけが理由ではなく、他の取り組みも合わせての成果です。とはいえ、Uniposが大きな役割を果たしたことは間違いありません。

社員の意外な一面や、今まで見えていなかった隠れた貢献を知ることも

――Uniposをご覧になっていて、印象に残っている投稿などはありますか。

太田:本人のイメージと投稿内容にギャップがあると印象に残りますね。あまりUniposを使ってくれそうなイメージのなかった人が積極的に使ってくれているのを見て、すごく嬉しかったですし、親しみやすさを感じたことがあります。

また、個人的にはポジティブな投稿がたくさん流れているタイムラインそのものが印象に残っています。以前は会社に殺伐とした雰囲気を感じたこともあったのですが、Uniposを見ているとポジティブな内容ばかりなので、「UACJって良い会社だな」って思えるようになったんです。

斎藤:私が印象に残っているのは、長年連絡をとっていなかった知人がUniposに投稿した内容を見て、連絡をとるきっかけになったことです。どんな企業もそうだと思いますが、どうしても部署間の隔たりというのはあって、縦割りになりがちです。Uniposで他部署の状況を知れると、「こんなことやってるんだな」と理解して、連絡や交流をしてみようと思えるきっかけになります。

つくづく、人となりを知るというのは人間関係の基本だなと思いますね。かしこまった業務メールでは出てこないフランクな交流がUniposで起きることで、その人の業務内容や、普段は見えてこない隠れた貢献も見えてきます。


▲普段のイメージといい意味でギャップのある投稿も


▲長年連絡をとっていなかった社員と、Uniposをきっかけに再び交流が生まれました


▲これまで見えにくかった「隠れた貢献」がUniposを通じて見えるようになっています

仕事が見える化され、部署間コミュニケーションが活性化。理念浸透にも効果

――あらためて、Unipos導入の効果をどのように感じていますか。

太田:Uniposを導入した効果として感じているのは、仕事が見える化されたことです。企業には2種類あって、1つは社員全員が平等に情報を持っている会社。もう1つは役職に応じて情報をコントロールする会社です。伝統的な日本企業には後者が多く、UACJも同様でした。また、そもそも部署間のコミュニケーションが不足していたこともあり、自部署以外の仕事を知る機会は少なかったのです。

Uniposを見ていると、様々な感謝や称賛の言葉が流れてきて、これまで知ることのなかった他部署の仕事についてもわかるようになりました。これまで、そのような情報を一元的に知る場はありませんでした。これは大きな変化だと感じています。

斎藤:導入目的でもあった理念浸透についても促進できています。ハッシュタグに理念や行動指針を設定しているのですが、Uniposの投稿にも積極的に活用されており、組織に定着してきていると感じています。とある部署では、Uniposの投稿を見た他部署の人から、「うちも似たようなことをやっているからコラボできないか」という声をかけられたことがあったそうです。こうした部署を超えた交流と挑戦は今までになかったことです。「好奇心と挑戦心」という行動指針が着実に根付いてきています。

もちろん、風土をつくることはそう簡単ではありません。まだまだ道は長く、風土と呼べるようになるまでには、あと10年はかかると思います。


▲拠点や部署が異なる社員同士がUniposで交流を深めています

Uniposは例えるならビタミンサプリ。長期間の活用で効いてくる

――Uniposの費用対効果についてのお考えを教えてください。

太田:Uniposの費用対効果は、短期的に語れるものではないし、短期的に見てしまうとうまくいかないと思います。

斎藤:理念の実現が会社の究極の目的であり、その実現は組織文化がもたらすものです。そして、組織文化は、価値観と行動の積み重ねで形作られていきます。その手助けをするのがUniposですから、費用対効果は長期的な視点で見なければなりません。

私はUniposをビタミンのサプリみたいなものだと考えています。飲み始めてすぐに結果が出るものではなく、飲み続けることで元気や活力が湧いてきて、組織の状態が改善していくのです。

――ありがとうございました。

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