2022.12.09

“保守的な組織”から“挑戦する組織”へ 変革を後押しした要因とは

まとめ

  • 組織変革のための各施策の効果が高まった
  • 感謝を送り合う組織風土が根付き、理念も浸透
  • エンゲージメ ントの向上や新卒3年後離職率の低下にも期待
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全国に多数ある信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫。これまで保守的なイメージを持たれがちだった同組織ですが、社会環境の変化に対応するため、2019年から大きな組織変革を行っています。

同組織が変革に向けて様々な取り組みを実施するなかで、Uniposが各施策の土台になっているといいます。

Uniposにより、これまで評価されにくかった貢献が可視化。感謝と称賛が理念の浸透、挑戦の後押しといった効果を生んでいるといいます。組織全体のエンゲージメント向上や新卒3年後離職率の低下なども期待できるといいます。

信金中央金庫のSDGs推進部長・大塚琴美 様、副調査役・堤太志 様に、Unipos導入の背景と導入効果、活用方法についてお話を伺いました。

保守的な印象の強かった信金中央金庫が変化した理由

――まずは、御社の事業について教えてください。

大塚:信金中央金庫は、信用金庫の中央金融機関です。そもそも信用金庫とは、地域の方々や事業者の相互扶助を目的として設立された協同組織の金融機関で、中小企業や個人に対して預金や融資といった金融サービスや非金融サービスを提供しています。北海道から沖縄まで、全国に254金庫、7,129店舗(2022年3月末現在)が存在します。

そんな信用金庫に対して、預金や為替などの金融サービスのほか、業務サポートやコンサルティングなどのサービスを提供するのが信金中央金庫です。役職員数は1,277名で、国内に14店舗、海外にも6拠点を展開しています。

――2021年3月からUniposをご導入いただいています。Uniposを導入するきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

大塚:導入の背景となったのは社会環境の変化です。現在、地域や中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。多くの中小企業は人手不足や後継者問題、売上の減少などに悩んでおり、地域社会も人口減少や少子高齢化、新型コロナによる経済の疲弊といった課題を抱えています。

こうした急激な変化に対処するためには、信用金庫や信金中央金庫もまた変化して共に各地域の課題に向き合うことが求められます。

それまでの信金中央金庫は、皆様がイメージされている通りの保守的な組織でした。しかし、2020年に実施したエンゲージメント調査では、組織内からも「新しいチャレンジが必要である」という声があがるなど、変化や挑戦への意識が高まっていたのです。

こうした流れから、当社では様々な施策がスタートしました。ただ、施策でわかりやすく成果を出せる人はいいのですが、成果の裏に隠れた貢献は見えにくく、評価されづらいという課題があります。Uniposの導入によって、そういった貢献が可視化・称賛されるとともにコミュニケーションが活性化することを通じて、心理的安全性を高め、エンゲージメントを向上でき、施策の後押しにも繋がると考えました。

施策における挑戦を後押しするために導入

――Uniposが支えになった施策にはどのようなものがあるのか、詳しく教えていただけますか。

大塚:たとえば、2020年から始めた「C³(シーキューブ)アワード」です。C³アワードとは、3つのC(Creative、Challenging、Consulting)の頭文字を取った表彰制度で、信用金庫の課題解決に向けて創意工夫に富んだ施策の企画立案・遂行にチャレンジし、成果が見られたかを評価するものです。

これまでの表彰制度は全国一律の評価基準を設定していましたが、今の時代や状況に沿う「個別のニーズを踏まえた新しい施策へのチャレンジ」を評価することでチャレンジしやすい企業風土を醸成するためにつくったのが、C3アワードというわけです。

C³(シーキューブ)アワードでは、金・銀・銅の3つで表彰しているのですが、表彰に至らないような取組みについても、Uniposによって感謝・評価しあうことで、幅広い社員のチャレンジがフォローされていると感じています。

堤:他にも、社内で新規事業を立ち上げられる社内ベンチャー制度や社内公募制度、2~3年で異動を繰り返す従来のキャリア形成ではなく、高い専門性を持つスペシャリストとして特定の部署で長く活躍できるキャリアチャレンジ制度など、様々な取り組みを行っています。

このような新たな施策のなかで生まれる挑戦や工夫をUniposで称賛することで、職員のモチベーションが上がり、施策自体もどんどんよいものになっています。

SDGsプランとサービスとしての信頼度が決め手

――Unipos以外のソリューションは検討されましたか。その場合、Uniposを選んだ決め手は何だったのでしょう。

大塚:もちろん、比較検討は行いました。同種のサービスのなかでUniposを選んだ決め手は2つあります。まず、SDGsプランの存在です。もらったポイントを職員自らが選んで寄付するSDGsプランは、サステナビリティを掲げている当社にとって高く評価できる点でした。寄付先の範囲が広く、活動報告書で自分が寄付したポイントがどう使われたのかがわかることにも好印象を持ちました。

もう1つの決め手は、Uniposにサービスとしての歴史があり、ピアボーナス市場のリーディング企業だったことです。導入している企業も多く、信頼できる点を評価しました。加えて、操作が簡単で誰でも使えるのもよかったです。

エンゲージメント向上や新卒離職率の改善も

――Uniposを導入した効果をどのように感じていますか。

大塚:見えにくかった貢献が可視化できました。一般的な銀行は成果が数字で見えやすいのですが、当社は定量的に評価しにくい地域貢献、たとえば地域のイベントのお手伝いをする、といった仕事をすることもあります。当社としては、地域創生や信用金庫とのリレーション維持のためにとても大切な仕事なのですが、一方で可視化したり評価したりすることが難しかったのです。Uniposで貢献が可視化されたことで、そうした「会社にとって重要だけど評価しにくい行動」が称賛という形で評価されるようになったと感じています。

堤:エンゲージメントの向上や、新卒3年後離職率の低下も見られています。Uniposがコミュニケーションを円滑にしてくれるため「いい会社だな」と感じることが増え、それが離職防止につながっている印象です。

また、若手は最初のうちはコピーや資料の準備といったルーティンワークも多いですが、そこに上司からの感謝や称賛といったUniposが送られることで、若手も自分の仕事の意義を感じられたり、承認されたと思えるでしょう。

信金中央金庫は新卒を大事に育てて、定年まで勤め上げてほしいと考えています。その土台としてもUniposが生きていると感じます。

Uniposが部門間の情報源に

堤:加えて、気軽に感謝や称賛を送り合える風土が組織に根付きつつあると感じています。口頭で感謝を伝えるのが恥ずかしくて苦手という職員もいますが、Uniposなら「ポイントを送る」「感謝するための場である」といった“口実”があるので感謝を伝えやすいようです。

また、信金中央金庫の理念の浸透にも役立っています。Uniposのハッシュタグに理念である「#信用金庫のために」を設定しているのですが、投稿にかなり活用されており、職員が理念に触れる機会が増加しました。

支店と本店の間でもよくUniposが送られています。信金中央金庫の本店には、為替やシステムなどの専門部署があり、各支店からの問い合わせに対応しています。そうしたつながりも他部署にいるとなかなか知ることができないのですが、Uniposを通して「あの部署やあの人はそういう業務をしているのか」と把握できます。

大塚:ほかにも、異なる支店同士においても活用されています。

たとえば、各地の信用金庫は組織としては別なので、知りたいことがあっても連絡がとりにくい状況にあります。そこで、信用金庫同士をつなぐのが私たち信金中央金庫の役割です。各支店のメンバーが信用金庫に連絡し、問い合わせ内容を確認して伝達し合うのです。その結果、Uniposでは「信用金庫に確認してくれてありがとう。こちらの信用金庫の担当者も喜んでいました」といった感謝が送られることになります。本部がこうしたUniposを見て、支店同士で何があったのか情報を得られるのです。

――Uniposの導入により、組織内のつながりや各部署の業務内容の解像度が上がったわけですね。

Unipos社のサポートでスムーズに導入浸透

――Uniposを組織内に浸透、定着させたポイントについても教えてください。

堤:大切にしているのは、強制して無理やり使わせないことです。先ほど申し上げたように、Uniposは様々な施策を支える存在です。ですから、使うかどうかは職員に任せることにしています。

そのうえで、導入浸透については、Unipos社のサポートに助けられたと感じています。たとえば、導入にあたって専門の浸透チームをつくるようアドバイスをいただいたり、Unipos研修を行った際は講演をUnipos社の方にお願いしたりしました。セキュリティの問題でこれまで難しかったスマートフォンでのUnipos利用についても、Unipos社の方に尽力していただきました。受講者にも非常に好評でした。

――最後に、あらためてUniposに思うところをお聞かせください。

大塚:C³アワードを始めとする様々な施策を活性化させることに寄与しているのがUniposです。評価されにくい貢献を可視化し、感謝を送り合うことでチャレンジしやすい雰囲気を醸成してくれています。職員のモチベーションも向上し、理念の浸透や離職率低下にも効果が期待されます。今後は海外拠点でも導入していきたいです。

――ありがとうございました。

記載されている役職・在籍やUniposの機能・UIについてはインタビュー当時のものです。

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